ジャズスタンダードの名曲③ 中級編10選
さあではさっそくジャズスタンダードの名曲、続きの10曲です。
中級編とはいうものの、どれもかなり有名曲ですのでチェックしておきましょう。
偶然Bから始まる曲が多くなっていますねw
Bye Bye Blackbird(バイバイ・ブラックバード)
「Bye Bye Blackbird」は1926年の曲。そうとう古いですね。
始めに歌いレコーディングしたのは、ジーン・オースティンという歌手。
マイルス・デイビスの「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」という名盤に収録されている曲で、これがきっかけでジャズスタンダードとして確立しました。
イントロのレッド・ガーランドの演奏も素晴らしく、このイントロがこの曲のイントロとして定着しています。もちろんこれ以外のイントロで始まる事も多いですが。
セッションでもよく演奏されるので、気軽にリクエスト出来る曲でもあります。
On Green Dolphin Street(オン・グリーン・ドルフィン・ストリート)
「On Green Dolphin Street」は1947年に作曲されました。元々は同名映画の為のテーマ曲ですね。(邦題は「大地は怒る」)
人気マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」の6部でも、刑務所の名前として登場します。
この曲は何といってもマイルス・デイビスのバージョンが素晴らしいです。やはりこの演奏でこの曲もスタンダード化しました。(イントロはビル・エバンスという豪華さ)
演奏しているアーティストも多く、ビル・エバンス、ウィントン・ケリー、ウェイン・ショーター、キース・ジャレットなどの演奏も有名です。
セッションやライブでもよくやる曲ですね。
ちなみにこのアルバムのジャケットは日本独自の物で、輸入盤のジャケットはマイルス達が演奏する姿がジャケットになっていて、そっちの方が断然かっこ良かったんですが・・・。
Maiden Voyage(処女航海)
「Maiden Voyage」は始めの10曲で紹介してもいいくらいでしたね。1965年発表。
この曲はピアニストもハービー・ハンコックの代表曲の1つです。1960年代を代表する曲と言ってもいいくらいの曲かもしれません。
ゆったりとした序盤から、フレディ・ハバート(トランペット)が大空に大きく自由に羽ばたくようなソロを展開する所が私は好きです。いいスパイスになっています。
この曲もコード進行が無く、いくつかのモードスケールで作られているので、自由度の高い楽曲。
同じアルバムの中の「ドルフィン・ダンス」もジャズのスタンダード曲となっています。
でもこのアルバムは圧倒的に「Maiden Voyage」が優れていて、私は他の曲は殆ど聴きません。この曲ばかり繰り返し聴いてしまいますね。
I’ll Close My Eyes(アイル・クローズ・マイ・アイズ)
「I’ll Close My Eyes」は1945年の曲。元々インストでしたが後に歌詞が付けられて歌にもなりました。
この曲はジャズリスナーからしたら、そんなにメジャーな曲では無いかもしれません。(まぁでも、ジャズ愛好家でしたらお馴染みの曲ではあるんですが)
ですがプレイヤーからすると、セッションのど定番曲でみんな好んで演奏します。ジャズでよく使うコード進行が頻繁に出てくるので、初心者でも演奏しやすいのが理由かもしれません。
私もこの曲の明るい雰囲気が好きで、よく演奏しています。
ちなみにこのアルバムは、ピアニストのウィントン・ケリーの伴奏も素晴らしく、かなり聴きやすいジャズ名盤となっていますのでお勧めです。
Beautiful love(ビューティフル・ラブ)
「Beautiful love」は1931年にビクター・ヤングが作曲しました。
ジャズスタンダードとして定着したきっかけは、「ビル・エバンス」の演奏のようです。ボーカル物は「アニタ・オデイ」が有名ですね。
近年ではボーカルの「ソフィ・ミルマン」も歌っています。
ソフィ・ミルマンは日本の「エゴラッピン」というグループのボーカリストの声に似ていてかっこいいです。
話がそれましたが、この曲はビル・エバンスのバージョンの影響が強いせいか、ピアニストに好まれる曲のようです。私もよくピアノで弾いています。
しかし私が最も衝撃を受けたのは、上の動画のハーモニカ奏者「アントリオ・セラノ」。
初めに聴いた時は、演奏の凄さに「圧倒」されました。ぜひ一度聴いてみてください。
All of Me(オール・オブ・ミー)
「All of Me」もかなり有名なジャズスタンダード曲です。1931年の曲。
翌年の1932年にルイ・アームストロングとポール・ホワイトマンが演奏して大ヒットしました。
名のあるボーカリストは殆ど歌っていて、フランク・シナトラ、サラ・ボーン、ビリー・ホリデイも歌っています。(動画はエラ・フィッツジェラルド)
インストでも歌でもやる曲ですが、セッションではど定番過ぎて逆にやらないという事もあります。それくらいジャズのスタンダードとして定着している曲ですね。
似たような曲に「All of you (オール・オブ・ユー)」という曲もありますが、こちらもジャズスタンダードとして有名。
マイルス・デイビス、ビル・エバンス、さらにはフランク・シナトラもカバーしています。
初めのうちは、この2曲がいつもごっちゃになってしまいますので、注意が必要ですね。
ちなみにコード進行はとてもシンプルで、演奏しやすい曲。
I’ll Remember April(4月の想い出)
「I’ll Remember April」は1942年に作曲されました。
人気コメディ映画「凸凹カウボーイの巻」のテーマ曲。・・・って意外な感じですね。こんな叙情的で素敵な曲が、そんなタイトルの映画のテーマ曲だったとは驚きです。
この曲は不思議で、しっとりバラードでやってもノリノリのアップテンポでやってもバッチリハマる曲です。
動画はチェット・ベイカーですが、このスピード感でも哀愁を感じさせるんですから素晴らしい演奏です。元の曲の素晴らしさもあるとは思いますが。
この曲も多くのジャズマンに愛された曲で「チャーリー・パーカー」「ソニー・スティット」「バド・パウエル」「ソニー・クラーク」、など名演は数え切れません。
Blue Bossa(ブルー・ボッサ)
「Blue Bossa」はジャズのトランペット奏者「ケニー・ドーハム」が1963年に作曲しました。
同年発売のジョー・ヘンダーソンのアルバム「ページ・ワン」で初めて収録されています。(ケニー・ドーハムも共演しています。)
この曲もプレイヤーにはど定番で、セッションやライブでよくやるお馴染みの曲。
プレイヤー初心者でも2つの音階(スケール)を覚えればそれなりに演奏出来てしまうので、初心者にも好まれる曲です。
ちなみに私はこの曲のメロディが大好きで、ついつい繰り返し演奏したくなります。
この曲は、テナーサックスの「デクスター・ゴードン」の演奏なども有名ですが、上の動画はあえてピアニストの「Vladimir Shafranov(ウラジミール・シャフラノフ)」にしました。
ブルーボッサは、管楽器でやってもピアノでやってもかっこいい曲ですね。
Black Orpheus(黒いオルフェ)
「Black Orpheus」は1959年に同名映画のテーマ曲として作曲されました。
始めはボサノバのリズムでは無かったのですが、次第にボサノバのリズムが定着していったようです。
タイトルも「カーニバルの朝」だったのですが、次第に映画のタイトルと同じ「黒いオルフェ」と呼ぶ人が増えてそっちが定着したのかもしれません。
上の動画はウェイン・ショーター。ジャケットはちょいダサですが、演奏がとにかくいい。最高の雰囲気。時代の空気感さえ感じ取れる名盤です。
ウェイン・ショーターはクセが強く好みの分かれるサックス奏者ですが(ファンの人ごめんなさい)、こういった正統派で万人受けするようなプレイスタイルの時代もあったんですね。
始め聴いた時びっくりしました。これこそジャズ。
But Not for Me(バット・ノット・フォー・ミー)
「But Not for Me」は1932年にジョージ・ガーシュインが作曲しました。ガーシュインの曲はジャズスタンダードになっている曲が多いですね。
1959のエラ・フィッツジェラルドの歌が大ヒットして、第二回グラミー賞の「最優秀女性ボーカル賞」に輝いています。
しかし何といってもこの曲は「チェット・ベイカー」でしょう。これを聴くとトランペットを吹いて歌えたらかっこいいだろうなぁと思ってしまいます。憧れますね。
映画「坂道のアポロン」でもディーン藤岡さんが、トランペットを吹きながら歌っていましたが、何ともかっこ良かったですね。
ジャズスタンダードの名曲 さいごに
いかがでしたでしょうか? ジャズスタンダードは何百曲と存在していますので、今回ご紹介したのはほんの一部です。
ちなみに私はジャズの名盤をCDで集め過ぎて、どんどんそれが膨大に膨れ上がり収納するスペースに困ったり、聴こうと思ったCDを見つけるのが大変だったりと、ストレスになっていきました。
そんな時に「Amazon music アンリミテッド」というサービスを試してみたら、すんごく快適になりましたのでそれを以前記事にしました。
良かったら読んでみてくださいね。
最近の私はちょっと人生に疲れていました。 毎日の憂鬱な仕事でくたくたになるまで働いて、家に帰れば思春期で気難し…
とりあえず、今回ご紹介した曲を覚えておけば、ジャズの名盤を楽しんだりライブも楽しむ事が出来るかと思います。
同じ曲でもアーティストによってはまったく雰囲気が違って来ますので、それを聴き比べるのも楽しいものです。
長い記事を最後まで読んでくださりありがとうございました。
ではまた!