ジャズスタンダードの名曲② まだまだ有る超有名曲一覧
ではさっそく次の10曲にいきましょう。これらの曲もかなり「ど定番」&「超有名」な物ばかりです。こちらを始めに紹介してもいいくらいかもしれません。
So What(ソー・ホワット)
1958年録音。ジャズ史上最も売れたとされるアルバム「カインド・オブ・ブルー」の収録曲。
言わずと知れたジャズの帝王マイルス・デイビスの傑作です。
ジャズに慣れていないと、始めはシンプルで特徴の無い曲に聞こえる可能性もありますが、耳が少し肥えてくるとその素晴らしさに圧倒される名曲。
マイルスの後のアルバムでは、どんどんこの曲のテンポが上がり「フォア&モア」というアルバムでは激し過ぎて別の曲のようになっていますが、それもまたカッコいいのでお勧めです。
コード進行は無く、モードスケールで演奏する自由な曲の為、ジャムセッションのライブではそれほど頻繁には演奏されません。
マイルスバンドの演奏があまりにも芸術的なので、ジャズプレイヤーの初心者~中級者くらいだとライブでやらないのかも。
私も実力不足なのでまだやりたくありませんねw
Confirmation(コンファメーション)
「Confirmation(コンファメーション)」は、ジャズの神様チャーリー・パーカーが1946年に発表しました。
この曲は曲らしくなく、どことなくアドリブを冒頭からやっているような印象ですが、アドリブフレーズが元になっている曲とされています。
この曲のテーマはけっこう難しくて、ジャズの源流であるビバップのノリを習得しないとパーカーのような切れのあるテーマは演奏出来ないでしょう。
でもジャムセッションではよく演奏するスタンダードナンバーですので、リクエストしても気軽に応えて演奏してくれると思います。
Waltz for Debby(ワルツ・フォー・デヴィ)
「Waltz for Debby」はジャズピアノの巨匠ビル・エバンスが作った名曲です。
ビル・エバンスが姪のデヴィちゃんに捧げたワルツ曲。
タイトル通り曲は3拍子(ワルツ)で、3拍子のジャズスタンダードとしては「いつか王子様が」と同じくらい有名です。
とてもロマンチックで、この曲が大好きな女性は多いようですね。
しかし超有名曲ではあるものの、そんなにジャズのジャムセッションではやらない曲でもあります。(地域によるかもですが)
取り上げているプロのミュージシャンは多いんですけどね。
The Girl from Ipanema(イパネマの娘)
イパネマの娘は、ボサノバの創始者の1人である「アントニオ・カルロス・ジョピン」が1962年に作曲したボサノバの曲です。
ジャズもこのボサノバを取り入れるようになり、多くのジャズミュージシャンがボサノバを演奏してきました。
といっても純粋なボサノバではなく、ジャズとボサノバが融合したような「ジャズ・ボサ」と言った方がいいのかもしれません。
本当のボサノバはずっと抑揚が無いままですが、どうもジャズミュージシャンは後半に行くにつれて盛り上げてしまう傾向があるようです。
なので純粋なボサノバファンからすると、動画のサックスプレイヤーのスタン・ゲッツの演奏はよろしくないらしいですね。ジャズファンからすると違和感無いんですが。
ちなみにこの曲は、リオデジャネイロのイパネマ海岸近くにあったバーに地域で評判の美少女がよく訪れていて、その美少女にインスピレーションを受けてジョピン達が作った曲らしいです。
さらに、その女性は歌のモデルになった事を宣伝して自分のブティックを立ち上げたという、ツワモノだったります。
C Jam Blues(C・ジャム・ブルース)
「C Jam Blues」はデューク・エリントンが1942年に作曲しました。
何とテーマのメロディはたったの2音しかありません。(「ソ」と「ド」だけ)なのに名曲。
この曲は何といってもオスカー・ピーターソンの演奏が素晴らしいです。他にはレッド・ガーランドの演奏も有名。
ジャズセッションで演奏する「ブルース」は、普通のブルースとは別物で正確には「ジャズ・ブルース」と言った方が正しいかもしれません。(あまりジャズ・ブルースとは呼びませんが)
ジャズプレイヤーの初心者から上級者までが、ずっと追求していくのがジャズの「ブルース」です。
シンプルなコード進行なので初心者にも取っつきやすいですし、様々な応用も出来るので上級者になっても演奏します。
ジャズのブルースとしては他にも「ナウズ・ザ・タイム」「ビリーズ・バウンス」などが有名なスタンダードで、私は「ビリーズ・バウンス」を何百回と練習してきました。
ちなみに上記の2曲のブルースは、共にチャーリー・パーカー作曲です。
A Night in Tunisia(チュニジアの夜)
「A Night in Tunisia」も有名なスタンダードですね。
ジャズの開祖と言ってもいいくらいの2人の巨人が、チャーリー・パーカーとディジー・ガレスピー。
この曲はそのディジー・ガレスピー(トランペット)が1942年に作曲しました。
本人やチャーリー・パーカーの演奏も有名ですが、アートブレイキー&ジャズメッセンジャーズの演奏も名演となっています。
ジャズのジャムセッションでも、サックスやトランペットの人が多いとやる曲ですね。
イントロから何とも特徴的でスリリングな曲です。
My Funny Valentine(マイ・ファニー・バレンタイン)
「My Funny Valentine」もジャズの有名なバラード曲です。作曲されたのは1937年と古く、元々はこの曲もミュージカルの為に書かれました。
ボーカル物も多いのですが、マイルス・デイビスのインストも有名で他にも数々の名演が残されています。
トランぺッター兼ボーカリストのチェット・ベイカーの歌も有名。中性的な声質が何ともセクシーです。
Round Midnight(ラウンド・ミッドナイト)
「Round Midnight」は1944年に、ジャズピアニストの「セロニアス・モンク」によって作曲されました。
初期は「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」と表記されていましたが、今では「ラウンド・ミッドナイト」と言われる事の方が多いかもしれません。
どちらでも間違いではありませんが、私個人としては「アバウト」が入った方がカッコよさを感じますね。
私はこのマイルス・デイビスのバージョンを聴いた時、「なんだこれ、めちゃくちゃカッコいい!」と思いました。
ジョン・コルトレーンのソロが始まる前後のある部分は鳥肌モノでしたね。ちなみにこのマイルスバージョンのアレンジは「ギル・エバンス」による物です。
個人的に大好きな曲ですが、あまりに多くのコードが使われていて難しい曲なので、まだ演奏の方は手を付けていません。
Stella by Starlight(星影のステラ)
「Stella by Starlight(ステラ・バイ・スターライト)」は、1944年に作曲されました。
ホラー映画「呪いの家」のテーマ曲ですが、ホラーとは程遠い美しいメロディが特徴です。
映画は全然ヒットしませんでしたが、曲は多くのジャズミュージシャンに愛される人気曲となりました。
元々はインストで「マイルス・デイビス」や「スタン・ゲッツ」の演奏が有名ですが、ボーカリストも多くの名演を残しています。
私は当初この曲があまり好きでは無かったんですが、ジャズのセッション仲間がよく好んで演奏していたので練習を始めました。
自分でじっくり演奏してみてようやくこの曲の美しさに気が付き、それ以降多くの名演を聴くようになりました。(決して自分の演奏が良かったわけではありませんw)
ちなみにジャズのジャズセッションや普通のライブでもやる事が多く、ジャズ中級者~上級者まで楽しめる曲です。
(ちょっと変わったコード進行なので、初心者さんはアドリブが演奏しづらいかも)
しかしこの曲は英語タイトルでも日本語タイトルでも、どっちも美しさを感じますね。日本語って奥深くて綺麗だなって思わされます。
「星影」って訳した人はセンス抜群。
Spain(スペイン)
「Spain」はジャズピアノの巨匠「チック・コリア」によって1972年に作曲されました。
イントロは「アランフェス協奏曲 第二楽章」を使っていて、その後はアフロキューバンリズムで軽快になっていく個性の強い魅力的な曲。
ギタリストに特に人気が高く、「B’z」の松本孝弘さんもカバーしています。
一度聴けば分かると思いますが、テーマを弾くだけでも相当に難しい曲です。でもいつかは必ず挑戦したいと思わされる魅力的な曲。
作曲したチック・コリアは本当に凄かった。ご冥福をお祈り致します。
ジャズスタンダードの名曲・中級編10選
さて、いよいよ次のページからは、ジャズスタンダードの名曲、中級編です。
まだまだ超有名&人気のジャズスタンダード曲は沢山ありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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